ヴぁもすベニテス!忍び寄る中東の影
著者:アルフレッド🏴 翻訳:ルナ🇯🇵
やあ僕だよ!
今まで僕たちは100年以上も前に遡ってニューカッスルの歴史を見てきたわけだけど
今日のこの公演で遂に僕たちが今生きている時代に追いつくよ!
まずは前回の振り返りから。
第9幕の振り返り
2度目のフランス大革命が大失敗に終わり,アシュリー氏がクラブやスタジアム命名権を売却する動きを見せたニューカッスルは、2015年にレスター主催のPPG2.13という名のやばいパーティに招待され、そこで派手に転がされた。
起き上がろうと顔を上に向けた先にはサンダーランドが待ち構えていた。
こういうお話だった。
だったよね?
誇張しすぎかなw
まあいいか。
残留の椅子をかけたダービーマッチ
ミラクルレスターシーズンで降格が濃厚になったニューカッスルはベニテスを招集し、最後の5試合は2勝3分と安全圏の17位に向かって必死になって走った。
しかしその目標だった17位の椅子にはサンダーランドが座っていた。
ニューカッスルに光がもたらされようとしたタイミングで幾度となく立ちはだかるのがサンダーランド!
なんとサンダーランドも最後の5試合は2勝3分
結果、ニューカッスルは勝ち点2足りず,18位降格。
つまりはサンダーランドの勝ち星が一つでも黒く塗りつぶされていたら順位は入れ替わっていたということ。
サンダーランドが起こした最後の躍進
これは、ライバルであるニューカッスルが降格圏から必死になって上がってこようとしていたからこそ生まれたものだと僕は思うよ。
なんせ自分たちの頑張り次第ではライバルクラブに引導を渡せるわけだからね。
自分たちがプレミアリーグに残留したい!という気持ちをはるかに超えた熱意を感じたもん。
この両者の戦いはこの時点で既に100回以上行われてきた訳だけど、そのたびにサポーターたちはバチバチにやり合い、何百人ものサポーターが逮捕されている。
そのようなバチギスな関係を持った両者が安全圏の椅子を賭けて戦ったんだ。
燃えないわけがない。
レスターシティが奇跡の優勝を遂げている一方で、降格争いでは一種のタイン・ウェア・ダービーが勃発していたといってもいいだろう。
このシーズンは掘れば掘るほど面白い出来事が見つかるね。
このシーズンだけにフォーカスした解説公演とかやるのもいいかもしれない。
みんなもあのクラブのこと教えてほしい!みたいな要望があったら遠慮なく教えてね!
漢ベニテス、魂の続投宣言!
話を戻して
ライバルクラブであるサンダーランドの奮闘により1部に残ることが出来なかったニューカッスル。
ここでベニテスは男気を魅せる。
彼はニューカッスルユナイテッドでこのまま指揮を取り続けると言ったんだ!
彼のキャリアは素晴らしいものだ。
バレンシアではリーグタイトルやUEFAカップを獲得。
リヴァプールではチャンピオンズリーグやFAカップのトロフィーを掲げた。
インテルではクラブワールドカップを勝利
等々、挙げればきりがなくなるほどの実績を持つ彼はどこの国からも引っ張りだこ。
それなのにベニテスは2部でニューカッスルユナイテッドの指揮を執ることを選んだ。
ヴぁもおおおおおおおおす!
その男気にヴぁもすだね。
そして彼は結果も出す。
ベニテスは12人の選手を正式に獲得。さらには12人の選手をローンで獲得し、チームの色をガラッと変えた。
そして勝ち点94を積み上げて2部優勝。
一年でプレミアリーグに復帰した!
以降2シーズン、上位争いに加わることはなかったけれど、クラブをプレミアリーグに残留させ続け、2019年6月に退任した。
2010年代後半にもなるとリーグ内格差は昔とは比べ物にならないくらい大きいものになっている。
1900年代にキーガンたちがやってみせた、昇格直後の躍進っていうのはこのプレミアリーグでは滅多に起こりえない。
だからベニテスのこの成績は僕は立派だと思うよ。
2部に落ちても残り続けたっていうストーリーラインも含めて僕はベニテスのこの4年間が好きだね。
「実業家」としてクラブと接するアシュリー
ベニテスがクラブを率いている間、オーナーのアシュリー氏の動きも活発だった。
クラブの環境や選手にはあまりお金は出さない中、アシュリーはイギリスの老舗百貨店であるハウス・オブ・フレーザーの店舗や株式を9000万ポンドで買収。
この行動にはサポーターからも、彼はフットボールに関心がないと完全に愛想を尽かされていた。
ベニテスはクラブを去ってから1年後のインタビューで、アシュリーを”チームのことを本当に気にかけていないビジネスマン”と表現した。
サポーターはアシュリーに対してクラブオーナーとしてやるべきことをやってほしかったけど、アシュリーはあくまでビジネスマンとしてクラブと接してきたんだね。
そんなアシュリーが19年シーズンの終わりに再びクラブを売りに出すとの噂が流れた。
そしてその陰には中東の国が見え隠れするようになった。
我々の喜びを奪ったウイルス
いよいよ物語は最終盤!
時代は僕たちがいま生きている時代と同じ2020年代に入ります。
ベニテスが辞めた次のシーズン、19/20シーズンは新型コロナウイルスが大流行したことで
パンデミックとの闘いが発生。
2020年3月13日
プレミアリーグとイングランドフットボールリーグ
それからフットボールアソシエーションや
FA女子スーパーリーグの間で緊急会議が開かれ、全会一致でイングランドにおけるプロフットボールの中断が決定された。
このパンデミックはみんなの生活にも大きなダメージを与えたよね。
僕も仕事が大変だったよ。
何よりフットボールの試合がないから死にそうだった。
狂ったように過去の名試合を見まくってたね。
話を戻して
このパンデミックは我々の想像していたよりもリーグの再開を遅らせた。
リーグ中断が決まった2か月後の5月
リーグの再開日が6月17日であることと
残りの試合は無観客で行われることが発表された。
僕を含めたフットボールファンはリーグの再開を今か今かと待ちわびていただけにこの発表を大いに喜んだ。
一方でニューカッスルサポーターはそれどころではなかった。
リーグ1の大金持ちクラブに
実は、このパンデミックでリーグが中断している中、サウジアラビアの政府系ファンドであるPIFがニューカッスルを買収するため、正式に動いているというビッグビッグビッグビッグビイイイイイイイイッグニュースが流れた!
厳密にはPIFが含まれているコンソーシアムがクラブ買収を行うっていう話なんだけど、この件の詳細はこの公演の最終幕でたっぷりお話させてもらうからここでは軽く触れる程度にしておくよ。
この買収問題は一度はプレミアリーグによって拒否されたものの、裁判があったり、サウジとカタール間の関係に進展があったりして
2021年9月に、無事と言っていいのかはわからないけど
とにかく、PIFを含むコンソーシアムによるニューカッスルの買収が成立したんだ。
これは皆にとっても記憶に残る出来事だったんじゃないかな。
最近フットボールに興味を持った人はニューカッスルといえばこの件って感じだよね。
このニュースを聞いた日本のニューカッスルサポーターはきっと夢を膨らませたことだろう。
そして他のサポーターは「やばい!!!!!」ってビクビクしてたんじゃない?
SNSでもいろんなコラージュ画像が出回ったよね。
メッシやロナウドといったレジェンドが集結しためちゃくちゃ豪華なニューカッスルスカッドとかねw
僕たちの国でも当然狂喜乱舞だった。
買収成立まで焦らしに焦らされたニューカッスルサポーター達は「いぇええええああああああああ」と叫び
ライバルクラブのサポーター達は「いぇえええああああああああ」と叫んだ。
音は同じだけど色は全く違う叫びがイングランド中に響いた。
あとこの公演の主人公であり僕の推しであるキーガンも喜んだ。
久しぶりの登場であるキーガン。
彼はこの買収が成立してから、ニューカッスル・アポン・タインのクラムリントンで行われたイベントに出席し
他のみんなと同じように、マイク・アシュリーが去ったときは本当にうれしかった。誰が来てもプラスになるだろう。
https://www.chroniclelive.co.uk/sport/football/football-news/kevin-keegan-talks-newcastle-united-21935500
とアシュリー氏がクラブから離れたことに対して喜びを露わにした。
相当仲悪いんだろうね。
まあそりゃそうか。
新時代へ
パンデミックからクラブ買収が成立するまでの長い期間、クラブの指揮を獲り続けたのはスティーヴ・ブルース。
僕が思うに、彼ほど心身をすり減らした人はいないんじゃないかな。
彼の労働環境は相当に過酷なもので、フットボールに集中するという行為自体が高難易度だったことだと思う。
わけわかんないウイルスにプラスして自分の首がいつ無慈悲に切られてもおかしくないっていう状況なんだもん。
しかも彼は過去にサンダーランドの監督を務めたこともあるため、サポーターの中には彼が監督に就任することを良く思わない人もいた。
さすがにこの環境は気の毒だよね。
買収が成立した直後には様々な方面から新監督が就任すると噂され、スティーヴ・ブルースはすぐにでも解任されるのではという憶測が世間に流れた。
彼はそんな中でも21/22シーズンも監督としてnewカッスルユナイテッドの指揮を執った。
でも勝てなかった。
開幕戦から未勝利が続き、2021年10月20日に彼は解任される。
そして新しくニューカッスル・ユナイテッドに就任するのが現監督であるエディ・ハウ。
プレミアリーグ8戦未勝利の状態でバトンを受け取ったエディ・ハウは、この未勝利状態を14試合も継続させてしまうことになる。
まさかのねw
プレミアリーグの歴史の中で、開幕から14試合未勝利だったクラブは必ず2部に降格している。
これにはニューカッスルサポーターも発狂
他クラブのサポーターも違う意味で発狂
この最悪な結果に比例するようにニューカッスルに対する煽りはエスカレート。
度を超した過激な煽りも散見されるようになった。
そんな中、開幕から15試合目の12月にようやく勝利を収めることに成功する。
もちろんこの勝利がクラブが買収されて以降初めての勝利となるわけだね。
しかしそれ以降も負けが続き、年内をわずか1勝で終えることになる。
もうこの時点では降格しか見えていなかった。
この頃僕は、もし降格したらPIFはどのような動きを見せるんだろう
みたいなことをずっと考えていた。
堅実に、確実に。
しかーーーーし
ここからニューカッスルの逆襲が始まる。
流れを変えたのは冬のマーケット。
オーナーが変わってから初めて迎えたマーケット。
サポータ-が発狂交じりの祈りを行っている中、ニューカッスルはここで8500万ポンドほどの資金を投入し、ジョエリントンやトリッピアー、クリス・ウッドといった選手を獲得。
優秀な選手達が入ったニューカッスルは2022年に年が変わって以降リーグ戦で6勝2分と絶好調!
ここからは順調に勝ちを重ね続け、このシーズンの最終順位は11位。
年内で1勝しか出来なかったクラブが11位だよ!
この結果にはサポーターも未勝利時代の発狂とはまた別の色の発狂を披露した。
誰もが未来に対して希望を感じる状態でシーズンを終えることが出来たんだ。
そして迎えた22/23シーズン
昨シーズンだね。
みんな知っての通り、彼らはプレミアリーグで4位となり、チャンピオンズリーグの出場権を獲得した!
彼らの夢はこれからどんどん大きく膨らんでいくことだろう。
ひょっとしたら昔のように彼らがリーグを席巻する日が来るのかもしれない。
彼らがどのような道をたどって、どのような結末に至るのか。
僕たちと共に最後まで見届けよう!
おわりに
以上、ニューカッスル・ユナイテッドの創設期から連なる歴史紹介でした!!!
みんなお疲れさまでした!
ようやく今に追いついたよ。
ここまで長かったよね。
ごめんねw
キーガンに対する愛を抑えきれなくなった結果、文量がえげつないことになったw
あの監督や選手、それからあの出来事を語ってないじゃないかっていうのがあると思うけど許してね。
それに、毎シーズンの出来事を詳細に語ってたらこの公演は一生幕を下ろすことが出来ないと思うからこれくらいがちょうどいいんだと思う。
ニューカッスル・ユナイテッドの歴史を創設期から振り返ったこの公演。
いかがだったかな?
僕はこのクラブの魅力をみんなに伝えられただろうか。
この公演を見る前と比べて皆が持っていたこのクラブのイメージはどのように変わったかな?
是非感想を聞かせてね!
めっちゃ終わりの感じ出しているけど、ニューカッスル公演はもう少し続く。
次回はクラブレジェンドであるアラン・シアラーのキャリア解説
そして最終幕はPIFによるクラブ買収問題を深掘り解説。
この2つも是非見てもらって、ニューカッスルユナイテッドの歴史をコンプリートしてね!
というところで今日の公演は幕引きにしよう。
今日も最後まで見てくれてほんまぐらしあす!
また次の公演で、ちゃお!
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